50代になって、転職のことを誰かに相談したくなったら、どこへ行けばいいんでしょうか。
私はまだ、どこにも相談に行っていません。役職定年まであと数年ある今の段階で、「辞めるかどうか決める前に、相談だけ先にできる場所はあるのか」を知りたくて調べたのが、この記事です。
先に言っておくこと
- 転職の相談先は、大きく4つに分かれます。相談先ごとに、求人紹介の有無、相談の目的、利用条件、費用の仕組みが異なります
- まだ転職を決めていない場合は、求人紹介を伴わない公的窓口も選択肢になります。相談先は、希望職種、地域、雇用条件、相談したい内容に応じて選びます
- 民間のエージェントが求職者からお金を取ることは、法律で原則禁止されています。「無料」には理由があります
相談先は、大きく4つに分かれる
相談先は「民間の転職エージェント」「転職サイト・直接応募」「ハローワーク」「相談だけの公的窓口」の4つです。
| 相談先 | 料金(求職者) | 求人の紹介 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| 民間の転職エージェント | 無料 | あり(担当者が仲介) | 転職する方向で動き始めた人 |
| 転職サイト・直接応募 | 無料 | 自分で探して応募 | 自分のペースで進めたい人 |
| ハローワーク | 無料 | あり(公的機関) | 在職中でも利用できる |
| 相談だけの公的窓口 | 無料 | なし(相談と整理だけ) | まだ決めていない人 |
ぱっと見、どれも「無料」です。でも仕組みはまったく違います。次の節が、この記事の核です。
「無料」の仕組みが違う
エージェントの無料は「企業が払っている」無料で、公的窓口の無料は「税金で運営されている」無料です。
民間の転職エージェントは、職業安定法で、求職者から手数料を取ることが原則として禁止されています(一部の職種に例外あり)。有料職業紹介では、求人者から手数料を受ける契約が一般的です。料金やサービス内容は、利用前に各事業者の規約で確認します。つまり、エージェントにとっての「お客さん」は、構造としては採用する企業の側でもある、ということです。
これはエージェントが悪いという話ではありません。ただ、「無料だから中立な助言がもらえる」と思っていると、話の受け止め方を間違えます。エージェントは「転職してもらうこと」で成り立つ仕組みなので、助言は自然と「転職する方向」に寄ります。今の会社に残る選択肢や、資格だけ先に取るような話(柱1の2本目で書いた話です)は、彼らの仕組みの外にあります。
公的な窓口は逆で、転職してもしなくても、窓口の都合は変わりません。その代わり、求人の紹介まで一気にはやってくれない所もあります。
「まだ決めていない」段階で相談できる所
辞めるかどうか決めていない段階でも、相談だけ受けてくれる公的な窓口があります。
1つ目は、キャリア形成・リスキリング支援センターです。厚生労働省の委託事業で全国47都道府県にあり、在職中の人が対象で、無料でキャリアの相談に乗ってくれます。公式にも「職業紹介はしない」と明記されている所で、だからこそ「まだ決めていない」段階の棚卸しに向いています。夜間や土日の枠もあります。
2つ目は、ハローワークです。在職中でも利用できます。「ハローワークは失業した人が行く所」というイメージがありますが、相談や求人検索だけでも使えます。
そして大事な点として、情報の扱いの話です。職業紹介事業者等には秘密保持・個人情報の取扱いに関する義務があり、ハローワークの従事者にも情報をみだりに他人に知らせない義務があります。ただし、利用する際は各窓口の個人情報の取扱いを確認し、連絡先には個人用の連絡先を指定するなど、自分でも情報管理に注意します。
愛知県で、50代が使える窓口はここ
愛知労働局のミドルシニア支援は、安定した就職を希望するおおむね35歳以上59歳の方が対象です。県内6か所に専門窓口がありますが、利用条件や予約の要否は事前に各窓口へ確認します。私の年代がちょうど対象です。
愛知県内には、ミドルシニアのための専門窓口が6か所あります。
| 窓口 | 所在地の目安 |
|---|---|
| ハローワーク名古屋東 | 名古屋市名東区 |
| ハローワーク名古屋中 | 名古屋市中村区 |
| ハローワーク名古屋南 | 名古屋市熱田区 |
| ハローワーク豊橋 | 豊橋市 |
| ハローワーク一宮 | 一宮市 |
| ハローワーク豊田 | 豊田市 |
このほか、概ね60歳以上が中心の「生涯現役支援窓口」が県内15か所にあります。「あいちミドルシニア活躍サポートサイト」という県の情報サイトもあります。
全国向けの一般論より、自分の県に何があるか。備えの調べものは、結局ここに落とすのが一番実用的だと思っています。
エージェントを使うなら、50代の見るポイント
エージェントを使う場合は、総合型や年齢層に着目したサービスなどから、求人の内容・利用条件・担当者との相性を確認して選びます。
調べた範囲で、50代が見るべきポイントはこのあたりです。
- そのエージェントに、50代の求人と転職実績が実際にあるか
- 担当者が、自分の業界・職種を知っているか
- 厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、許可事業者かどうか、優良職業紹介事業者の認定を受けているかを確認する
正直な注意も1つ。エージェントは企業側の依頼で動く仕組みなので、条件によっては「紹介できる求人がない」と、登録の段階で断られることもあります。それは自分の価値の問題ではなく、仕組みの問題です。1社に断られても、結論を急がない方がいいと思います。
転職サイトで自分で応募する、という道もある
転職サイトと直接応募は、全部自分でやる代わりに、自分のペースで進められます。
書類の準備も、日程調整も、条件の交渉も、仲介者がいない分は全部自分です。その代わり、「相談先に急かされる」ことがありません。50代・シニアに特化した受け皿(ミドルの転職、シニアジョブなど、年齢層を絞ったサービス)もあります。
どのサービスが一番いいか、というランキングは書きません。私はまだ使っていないので、優劣を語れる立場にないからです。
私が調べた順番(まとめ)
私の順番は、まず公的窓口で棚卸しをして、それから必要ならエージェントを併用する、です。
役職定年は57歳。あと数年ある今の私には、「転職するかどうか」より先に「自分の市場での位置と、残る場合の条件」を整理することが先です。そのための相談先は、転職を前提にしない公的な窓口から入るのが順番として自然でした。
働き方の備えの全体は、柱1の1本目「役職定年で給料はどう変わる?」と、全体地図「50代からの3つの備え|働き方・親の介護・終活を、順番に整える全体地図」にまとめています。
出典
- 職業安定法 第32条の3(求職者からの手数料徴収の禁止)・第51条(守秘義務)・第51条の2 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=75001000&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省「キャリア形成・リスキリング支援センター」(全国47都道府県・在職者対象・職業紹介はしない)https://carigaku.mhlw.go.jp/icc/
- 愛知労働局「中高年層(ミドルシニア)支援」(対象おおむね35〜59歳・専門窓口6か所)https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/hyogaki.html
- 愛知労働局「生涯現役支援窓口」(概ね60歳以上を対象に県内15か所)https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_taisaku/_79409/_121503.html
- 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(許可事業者・優良職業紹介事業者の確認)
- 確認日:2026年11月5日


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