エンディングノートはどこでもらえる? 最初に書くのは3か所だけ

エンディングノートはどこでもらえる? 最初に書くのは3か所だけ 終活の準備

エンディングノート、もらいましたか? 私は、まだ持っていません。

「いつか書こう」と思って何年も経ちました。買ったりもらったりしても、真っ白なまま置いてある、という人も多いんじゃないでしょうか。

書けない理由は分かっています。項目が多すぎるんです。財産、保険、葬儀、医療、介護、デジタル、家族へのメッセージ……。全部埋めようと思うから、手が止まります。

だからこの記事では、順番を逆にします。最初に書くのは3か所だけ。残りは後からでいい。 入口は「どこでもらえるか」からにしました。手元に無ければ、始まりません。

先に言っておくこと

  • エンディングノートに法的な効力はありません。あくまで「覚え書き」です
  • 入手は自治体の無料配布が第一候補。愛知県内でも区や市ごとに配られています
  • 最初に書くのは「緊急連絡先/お金の場所/医療・介護の希望」の3か所だけ

この3つが頭に入れば、あとは順にいけます。

どこでもらえるか:まず自治体の無料配布

探し方は「自分の住む自治体名+エンディングノート」。配布の有無や窓口は自治体ごとに異なります。

まずは公式サイトを確認し、必要なら窓口へ問い合わせてみてください。愛知県内では、本文に挙げた自治体で公式の配布案内を確認できました(確認日:2026年11月4日)。

もらえる場所 ノートの名前・窓口
名古屋市千種区 「私の想いをつないで帳」区役所福祉課・いきいき支援センター
北名古屋市 市のエンディングノート(終活支援)
清須市・長久手市・みよし市・西尾市 各市の窓口で配布

名古屋市の場合は、市で一括ではなく区ごとに配られています。自分の区の名前で探すのがコツです。

自治体で入手できない場合は、市販のエンディングノートや、必要項目を自分でまとめたノートでも始められます。大事なのは中身の項目じゃなくて、「手元にあること」です。

何のために書くのか:法的効力はない、という大前提

ノートに書いても、財産の分け方に法的な効力は生まれません。

遺言として法的効力を持たせるには、民法で定められた方式を満たす必要があります。自筆証書遺言には、本文・日付・氏名の自書や押印などの要件がありますが、財産目録には例外があります。個別の有効性が気になる場合は、法務局・公証役場・法律専門職などに確認してください。エンディングノートは、その方式を満たすためのものではありません。位置づけは「家族への覚え書き」です。

財産の分け方を法的に残したいなら、遺言書の話になります。法務局が遺言書を預かってくれる制度(自筆証書遺言書保管制度、手数料1件3,900円)もあって、家庭裁判所の検認も不要です。ただ、それはまた別の備えです。

ノートの役割は、効力ではなく「家族が困らないこと」。ここを間違えなければ、書く内容が自然と決まります。

最初に書くのは3か所だけ

初めて書き始める入口として、まずはこの3か所からで十分です。

  1. 緊急連絡先 ― 何かあったときに、まず誰に連絡するか。きょうだい・親族・親しい人の電話番号
  2. お金の「場所」 ― どの金融機関に口座があるか、保険の会社名、書類の置き場所。金額ではなく場所です(柱3の1本目「親に聞いておく最低限のこと」でも書いた線引きです)
  3. 医療・介護の希望 ― かかりつけ医と飲んでいる薬、介護が必要になったときの希望の大枠

なお、医療・介護の希望は、家族や医療・介護の関係者と話し合うための手がかりとして書くものです。ノートだけで希望が必ず実現するわけではないため、状況が変わったら見直しや共有を行います。

財産の内訳や、葬儀の細かい指定や、家族への手紙は、後から足せばいいものです。必要な項目は人によって違うので、状況に合わせて足していきます。全部を埋めることが目的じゃありません。

書かなくていいこと:パスワードと暗証番号

パスワード・暗証番号は、ノートに書きません。

国民生活センターも「デジタル終活」として注意を促していますが、パスワードは第三者に知られないように管理するのが原則です。ノートは「家族が見るもの」であると同時に、「置き場所によっては他の人の目にも触れうるもの」です。

代わりに書くのは、この2つだけです。

  • 契約しているサービスの名前(ネット銀行、サブスクなど)
  • パスワードの「保管場所」(例:パスワード管理アプリを使っている、封筒に入れて○○にある)

それと、スマホ自体のロック解除は、家族が最初に詰まるところです。解除方法そのものではなく、「分かるように別紙で用意してある」という状態を作っておくことが大事です。私も、これはこれからの課題です。

保管と更新:書いたら終わりではない

保管場所は「家族が開けられる場所」にして、書いた日付を入れておきます。

金庫の奥や、誰も知らない引き出しでは意味がありません。家族の誰かが「あそこにある」と知っている場所に置きます。内容には金融・健康に関する情報が含まれることがあります。複製を渡すかどうかは内容と保管方法を確認し、誰にどの情報を共有するかを慎重に決めます。まずは、ノートの保管場所を信頼できる人に伝える方法でも構いません。

そして、内容は時間が経てば古くなります。口座は変わるし、連絡先も変わります。私は、年に1回、どこかのタイミングで見直す、くらいの緩い運用でいいと思っています。

親の分は「自分のを先に書いて、見せる」

親に「書いて」と言う前に、自分のノートを先に書いて見せるのが、私の計画です。

柱3の1本目で、親に聞くのは「場所と希望」の2種類に絞る、と書きました。その道具として、エンディングノートは一番自然だと思っています。

ただ、いきなり親に真っ白なノートを渡して「書いておいて」と言うのは、言われた側が身構えます。自分の分を先に書いて、「私も書き始めたよ」と見せるところからなら、会話のきっかけになるかもしれません。

順番は、自分の分が先。親の分はその後。これが、このサイトで考える「備えの順番」の、終活での形です。

まとめ:手元に置いて、3か所だけ

エンディングノートは「買って安心するもの」ではなく「3か所だけ書いて効くもの」です。

  • 入手は、まず自治体の無料配布を確認する(愛知県内は区・市ごと)
  • 法的効力はない。「家族が困らないための覚え書き」と割り切る
  • 最初に書くのは、緊急連絡先・お金の場所・医療と介護の希望の3か所
  • パスワードは書かない。サービスの名前と保管場所だけ

備えの全体像は「50代からの3つの備え|働き方・親の介護・終活を、順番に整える全体地図」にまとめています。

出典

  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度」(手数料1件3,900円、検認不要、2020年7月開始)
  • 民法第960条・第968条(遺言の方式、自筆証書遺言の要件)
  • 名古屋市千種区「私の想いをつないで帳」配布案内(区役所福祉課・いきいき支援センター)
  • 北名古屋市・清須市・長久手市・みよし市・西尾市のエンディングノート配布案内(各市公式)
  • 国民生活センター「デジタル終活」に関する注意喚起(2024年11月20日)
  • 確認日:2026年11月4日

コメント

タイトルとURLをコピーしました