役職定年で給料はどう変わる? 50代会社員の収入シミュレーションの考え方

役職定年で給料はどう変わる? 50代会社員の収入シミュレーションの考え方 自分の働き方

役職定年、そして、その先の雇用のこと。考えていますか?

私の会社では、役職定年は57歳です。あと数年で、自分の番が来ます。65歳までは雇ってもらえる見通しです。ただ、その先は再雇用という形になるようで、正直なところ、まだはっきりしません。

思えば、50代の働き方でいちばん手つかずなのは、この「その先」です。役職定年で給料がどう変わるのか。雇用の終わりが見えた先で、自分は何をして、どうやって稼ぐのか。

だから私は、まず「役職定年で給料がどれくらい下がるのか」を、世間の平均ではなく、自分の年齢と会社の制度に引き寄せて考えておきたいと思っています。この記事は、そのための下調べと、考え方の整理です。

先に言っておくこと

  • 役職定年で年収は下がるのが普通です。人事院の調査では下がる企業が82.5%、民間のアンケートでは「11〜30%減」が最多でした。ただ、会社による差が大きい話です
  • 私の場合は、役職手当が外れて、ほぼ基本給になる見通しです。下がった分は、結局は残業で埋めていく形になりやすい
  • 65歳までは雇ってもらえる見通しでも、その先は未定です。だから給料の下がり方と同時に、「雇用の先」の入口も今から考えておきます

根拠の数字や制度の中身は、この後で順に書きます。

役職定年で給料はどれくらい下がるのか

役職定年で年収が下がるのは普通のことで、下がり幅は1〜3割が中心です。

世間の数字です。

人事院が民間企業を調べた調査(2007年実施)では、課長級の役職定年後に年収が「下がる」と答えた企業が82.5%ありました。下がる場合の水準は、役職定年前の約75〜99%に収まる企業が78.2%と中心で、約50〜74%まで下がる企業も20.4%あります。

民間の調査でも似た傾向で、「1〜3割減」が中心という結果が出ています(ダイヤモンド編集部のアンケートでは「11〜30%減」が53%で最多)。

調査は少し古いものも含みますが、「役職定年で年収が下がるのは普通のこと。下がり幅は1〜3割が中心で、会社によってはそれ以上」というのが、まず押さえておく世間の姿です。

給料が下がる仕組みは、だいたい3つ

下がる中身は「役職手当・基本給・賞与」の3つの合算です。

同じ人事院の調査で、役職定年後に減額する項目を見ると、仕組みが分かります。

  1. 役職手当(管理職手当)がなくなる ― 減額する企業30.7%、そもそも廃止する企業が37.7%で、手当の扱いがいちばん大きい
  2. 基本給そのものが下がる ― 減額する企業36.6%
  3. 賞与の算定基礎が下がる ― 減額する企業33.1%。賞与が基本給や等級に連動する会社では、賞与にも影響します(算定方法は会社の規程によります)

つまり「年収が2割下がる」の中身は、手当・基本給・賞与の合算です。自分の会社の場合はどれがどう効くのかで、下がり方は変わります。

私の場合は「手当が外れて、ほぼ基本給」

私の場合は、役職手当が外れて、ほぼ基本給だけになります。

私の会社では、役職定年になると役職手当が外れて、ほぼ基本給だけになる、という形のようです(会社の制度は会社によって異なります。これは私の会社の場合です)。

この形だと、月給の見た目はかなり変わります。賞与も基本給に連動する算定なので、基本給が下がれば賞与も大きく下がる形です。そして現場の感覚としてもう一つあるのが、給料が少ない分、結局は残業で稼いでいる人がいる、ということです。私の職場で見聞きする範囲では、収入の減りを補うために時間外勤務を増やす人もいるようです。役職を外れた後の時間外手当の扱いは会社によりますが、収入を保とうとすると「基本給+残業で稼ぐ形」に寄っていきやすい。これは私の見立てですが、シミュレーションをするときに忘れたくない現実です。

シミュレーションは「3つの区間」で考える

私の収入の見通しは「57歳まで/57〜65歳/65歳〜」の3つの区間に分けて考えます。

世間の記事は、55歳の役職定年か、60歳の定年・再雇用のどちらかを前提にしているものがほとんどでした。私の場合は年齢の区切りが違うので、区間を3つに分けて考えます。

区間1:今 〜 57歳
いまの水準が続く期間です。厚生労働省の賃金統計では、一般労働者・男性の所定内給与額は55〜59歳で月44万5,600円がピークで、60〜64歳では35万8,500円と約2割下がります。ただこれは役職定年のない会社も含む全体の平均で、役職定年のある会社の管理職は、ピークがもっと手前(役職定年の直前)に来ます。この区間は「ピークのうちに何をしておくか」の期間です。

区間2:57歳 〜 65歳
役職定年後の水準で置く期間です。私の場合は「ほぼ基本給」が前提。会社全体の平均ではなく、自分の給与明細の内訳(基本給はいくらか、手当はいくらか)から計算するのが確実です。下がり幅には幅があるので、楽観・標準・厳しめの2〜3通りを作っておくと、後の判断がぶれません。

区間3:65歳 〜
私の場合、ここは「再雇用という形になるみたい」というところまでしか分かりません。分からないものを無理に数字にすると、かえって計画が歪みます。この区間は、決め打ちの数字を置かず、「分かったら更新する場所」として空けておくのが、私なりの扱い方です。

65歳まで働く場は、法律で用意されている。ただし賃金の水準は別

定年が65歳未満の会社には、65歳までの雇用確保措置が求められています。ただし、同じ職務・労働時間・賃金が65歳まで続くことを一律に保証する制度ではありません。

心強い材料も調べました。

高年齢者雇用安定法では、定年が65歳未満の会社は、定年の引上げ・廃止・希望者全員の継続雇用のいずれかが義務づけられています。対象者を絞る経過措置は2025年3月で終わり、2025年4月からは希望者全員が対象です。私の「65歳までは雇ってもらえるようだ」という感覚は、法律の裏付けもある話でした。

ただし、法律は一律の賃金水準を定めているわけではありません。役職定年後や再雇用の賃金は、会社の制度や雇用契約などで決まります。実際の条件は、就業規則や再雇用規程で確認する話です。

国の制度にも、その前提が見えます。雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳以降の賃金が60歳到達時点の75%未満に下がった人が対象です(雇用保険の被保険者期間などの要件もあり、対象になるかはハローワーク等で確認します)。条件を満たせば、賃金の一部が給付で補われます。国自身が「60歳を境に賃金は大きく下がりうる」ことを前提に制度を作っている、ということです。

残れるかどうかは、結局「役員になれるか」が分かれ目

残れるかどうかは、役員になれるかが分かれ目です。ただ、役員になることが良いことかどうかは、また別の問題です。

ここからは制度の話ではなく、私の本音です。

役職定年を過ぎてもそのまま会社の上の方に残っている人はいます。ただ、そういう人を見ると、結果的に役員になれるかなれないかが、大きな分かれ目になっていると感じます。

とはいえ、私の年代は同じ年代の人数が多い世代です。椅子の数が限られている以上、そんなに簡単な話ではないだろう、というのが正直なところです。

なれるかどうかは別にして、「役員を目指す」という道自体は、考えておくべき選択肢だとは思います。選択肢として持っているのと、最初から無いものとするのでは、50代の過ごし方が変わってきます。

ただ、ここにも正直な疑問があります。今のご時世、役員になることが本当に「良いこと」なのかは、一概には言えません。責任は重くなり、会社の先行きに自分の時間を持っていかれる面もあります。

そしてもう一つ。年寄りの意見は、本当に必要とされているのか。現場は若い世代の感覚で回っていて、年長者の経験が「昔の話」として置いていかれる場面も増えました。役員になれたとしても、その先で自分の経験が本当に活きるのかは、また別の問題です。

それに、事務仕事・ホワイトカラーの仕事自体が、どんどん厳しくなっています。給料の下がり方だけを見ていても足りなくて、「65歳の先で、自分は何をして稼ぐのか」まで含めて考えないといけない。それが、このサイトで「働き方の備え」を柱の1つ目に置いた理由です。

まとめ:私がこれから確認すること

数字は会社による差が大きいので、最後は自分の会社の規定を3つ確認して終わりにします。

調べた結果、私が自分の会社について確認すべきことは3つに絞れました。

  1. 役職定年後の減額の決め方(等級がどうなるか、賞与の算定はどう変わるか)
  2. 退職金の計算方式(現状、私は分かっていません。基本給に連動する方式だと、役職定年の減額が退職金にも響くので、総務に確認します)
  3. 65歳以降の再雇用の条件(賃金の目安は会社の規程に書いてあるようなので、まず規程を確認します)

「給料は下がるもの」という漠然した不安のままだと、何も動けません。自分の区間に分けて、確認することを決める。それが50代の働き方の備えの第一歩だと思っています。

全体の地図は「50代からの3つの備え|働き方・親の介護・終活を、順番に整える全体地図」に置いてあります。

次に読むもの:
– 親の介護が始まったら、最初にやること・連絡する順番
– 親に聞いておく最低限のこと

出典

  • 人事院「民間企業の勤務条件制度等調査」平成19年(2007年)実施分(役職定年後の年収の変化・減額項目)https://www.jinji.go.jp/content/900026821.pdf
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年(年齢別の所定内給与)
  • 厚生労働省「高年齢者の雇用」(高年齢者雇用安定法第9条・65歳までの雇用確保措置)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09_00001.html
  • ハローワーク「雇用継続給付」(高年齢雇用継続給付の対象・75%未満の基準)https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_continue.html
  • ダイヤモンド編集部アンケート(2022年、役職定年後の年収の変化・民間調査)
  • 確認日:2026年11月4日

コメント

タイトルとURLをコピーしました